腸活と言うと発酵食品などの食べ物からのアプローチを考えがちですが、物理的に腸に直接アプローチする方法もあります。この方法を「腸揉み」と言います。
腸も筋肉でできていますから、とても効果的なアプローチです。
今回は、腸揉みの効果とやり方、実践する時のポイントを記事にしました。
腸揉みの効果:身体への影響
腸揉みは、特別な道具や場所を必要とせず、自分の手で腸を揉むことで行います。無理をせず心地よさを感じることが大切です。腸揉みを続けることで、腸の健康を保ち、全身の健康にも良い影響を与えます。
小腸揉みの効果
小腸揉みはダイエットに効果的です。
小腸の機能を回復させることで食欲抑制ホルモンPYY3-36の分泌を促し、過食を防ぎます。
また、栄養吸収を改善して老廃物の排出を促進します。
老廃物の排出をよりスムーズにするために、腸揉みの後にはお水で水分補給を行いましょう。
大腸揉みの効果
大腸揉みは便秘解消に効果があります。
大腸を刺激して宿便の排出を促し、腸内の毒素を減らします。
直腸に便が溜まっていると、その間に水分の再吸収などが行われて、一層の便秘に繋がります。
健康な腸を保つことで、全身の健康を保ちましょう。
腸揉みの効果:気持ちへの影響
腸揉みは「気持ち」にも良い影響を与えます。
呼吸に合わせて腸を揉むことで血行が良くなり、リラックス効果があります。
リラックスするとセロトニンという神経伝達物質が分泌され、幸せな気持ちになれます。
セロトニンは心のバランスを整えるホルモンです。
不足すると鬱病や不眠症の原因となります。
腸揉みを続けることでセロトニンの分泌を促し、心の調和を保ちます。
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから生成されます。
トリプトファンは納豆やチーズ、ヨーグルトなどに多く含まれています。
これらを摂取し、腸揉みで腸の吸収機能を高めることで、セロトニンの生成が促進されます。
腸揉みは体と心の健康を維持するための手軽で効果的な方法です。
日常生活に取り入れて、健康な腸を目指しましょう。
腸揉みの基本姿勢
さっそく腸揉みを始めてみましょう。
腸揉みには、いくつかの基本パターンがあります。
定期的に行っていくことが大事なので、まずは日頃時間を取りやすいところから1つずつやっていきましょう。
腸揉みする時の姿勢
基本的な考え方は、お腹の筋肉をリラックスさせることです。
お腹の筋肉が緩むことで、指を押し込んだ時にお腹の中にまで刺激が届くようになります。
姿勢の例を4つ挙げます。
- 椅子やソファに深めに腰を掛け、背中を少し丸めたやや前かがみの姿勢
- 椅子やソファに浅めに座り、背もたれにもたれかかる姿勢
- 起床時や就寝時などに、仰向けに寝て膝を立てた姿勢
- 風呂の湯船の中で、壁にもたれかかり膝を立てた姿勢
小腸揉みの基本
まずは「小腸揉み」の方法をお伝えします。
- へその位置、腹の真ん中辺りを手の平全体で包み込むようなイメージで、両手を重ねて置きます。
- 両手の平で腹を包み込んだ状態のまま、手の位置を変えずに手首を使って、時計回りにゆっくり回転させます。
時計回りに回転させることがポイントです。腸の向きに沿って動かすが大切です。
逆回りにやってしまうと逆効果になるので注意してください。
10周程度を1セットとし、自分が満足するくらいの、自由な回数行いましょう。
息を止めずに手に力を入れすぎないように注意しましょう。
大腸揉みの基本
次に「大腸揉み」の方法です。
腸と言うと、大腸をイメージする人の多いので、こちらの方がイメージしやすいと思います。
- 利き手を下にして、もう片方の手を手の甲に乗せます。
- 人差し指、中指、薬指の3本の指を上下で重ね合わせます。
- 指の重なった部分を使って下記の5ヶ所、呼吸に合わせて押し揉みます。
- 右骨盤の内側
- 右肋骨の下
- みぞおちの下
- 左肋骨の下
- 左骨盤の内側
下痢気味の方は①や②、便秘がちの方は④か⑤あたりに痛みを感じる場合があります。
何度か繰り返し腸を押し揉んでみて、痛みの場所や感じ方が変われば腸揉みが効いている証拠です。
どこを押しても痛みがある場合は力が強すぎる可能性が高いので、心地良い強さに調整しましょう。
腸揉みのポイント
腸揉みのやり方が分かったところで、腸揉みのポイントについてもお伝えします!
腸揉みポイント①:時間
腸揉みは起床時、就寝時、入浴中や入浴後がオススメです。リラックスして副交感神経が優位になっている時には、腸の動きが活発になっているので効果が出やすいです。
入浴中や入浴後は、服を着ていないので、服の摩擦も気にしなくていいから気楽に試せますね!
食後1時間は、避けた方がいい時間帯です。食べたものは1時間かけて胃から腸へと移動していきます。食後1時間後に腸揉みをすると、通常の消化吸収の流れを邪魔してしまいます。
腸揉みポイント②:継続と回数
腸揉みは腸のマッサージです。
短時間でも毎日続けることが大切です。
回数に制限はないので、何回行っても構いません。ただ、一回に頑張りすぎずに気持ちいくらいで止めておくと、継続しやすくなります。
気分が乗らないときは無理せず休むことも大切です。
腸揉みがストレスになってはいけません。
腸揉みポイント③:服装
締め付けの少ない服装で行いましょう。
先ほどお伝えしたように、入浴中と入浴後はお勧めです。
お仕事の合間など外で行う場合は、ベルトやボタンを緩めると良いでしょう。
お通じが出なくても、お手洗いでちょっと行うだけでもよいですね。
腸揉みポイント④:動作
呼吸に合わせたゆっくりとしたリズムで行うと効果的です。
スローテンポな曲を思い浮かべるのも良いです。
自宅だったら、お気に入りのスローテンポな曲を聞きながら揉むとよいでしょう。
息を吐くときに押し、自然と息が入るタイミングで手の力を抜きます。
押すときには心地よいと感じる強さで行いましょう。強すぎると逆効果です。
番外編:腸に刺激を与えよう
お伝えした腸揉み以外の方法でも、外部から腸へ刺激を与えることは可能です。
形にとらわれずに、隙間時間で腸をマッサージしましょう。
スキマ時間や外でもできる深呼吸
呼吸を司る筋肉である横隔膜が上下に動くと、手を使わなくても腸を動かすことができます。これを利用して、深呼吸をするだけで腸揉みを行うことができます。
電車に乗っているときや待ち合わせの時間など、スキマ時間に行ってみてください。
10秒程度かけて自分の腹に両手をあてて、大きく息を吐き出します。
息を吐ききったら3~5秒を目安に鼻で息を吸いましょう。
ポイントはお腹に手を当てることで、腸に意識を向けて揉まれていることをイメージすることです。
リラックス揉み
家でリラックスしているとき、テレビを見ながらでもできる腸揉み法です。「こんなにだらけてていいの?」と思うくらいの方が、習慣化もしやすいのでお勧めです。
右側を下にして横になり、左足を曲げて膝を床につけます。
左手で左骨盤の内側を掴むようにして、S状結腸を握るように揉みます。
水分の摂取量が少ない人や便意があっても我慢してしまう人は、S状結腸に便が溜まって固くなり、出にくい傾向があります。この腸揉みを行うことで改善に向かいます。
最後に
今回は、腸揉みについてお伝えしました。
手軽にできて、身体や気持ちに良い影響を与えてくれるとても良い方法です。
ぜひ試してみてください。
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