今回は、知ってそうで知らない「便秘」の種類について書きました
便秘と「ウンチが出ない」というイメージだけで曖昧に捉えがちですが、実は種類があります。
便秘の種類に併せて、効果的な対策が変わってきます。
今回は、便秘について色々と学んでいきましょう!
便秘のアレコレ
便秘とは?
便秘は、排便が通常よりも困難になる状態を指しますが、その定義にはいくつかの違いがあります。
以下は、主な定義をまとめたものです。
- 日本内科学会: 3日以上排便が無い、または排便後に残便感がある状態。
- 日本消化器病学会: 排便困難や腹部膨満感などの症状を伴う便通異常。
- Rome3基準(国際的診断基準): 週3回未満の排便、硬便、残便感があり、それが少なくとも3ヶ月続く状態。
便秘の判断は個人差が大きいたです。
自覚症状や排便の頻度、質を考慮し、便秘かどうかを見極めることが重要です。
便秘の弊害
便秘や隠れ便秘を放置すると、以下のような健康リスクが高まります。
- 腸の圧迫: 腸内に便とガスが充満し、腸が圧迫されることで腹の張りや痛み、吐き気を引き起こします。重度の場合、腸がほとんど動かなくなり、嘔吐を伴うこともあります。
- 健康リスク: 腸閉塞、腸捻転、大腸癌、大腸憩室症、直腸癌などの病気に繋がる可能性があります。また、肌荒れ、冷え性、むくみ、体臭の原因にもなります。体調不良だけでなく、美容にも影響が出るのが、便秘の憎きところです。
- 体内毒素の影響: 腸内に長時間留まった便が腐敗し、毒素が発生します。この毒素は腸壁から血液に入り、全身に巡ります。その結果、体臭や口臭、肌荒れ、頭痛、肩こりなどの症状が引き起こされます。
便秘解消に役立つ「腸運動」については、こちらの記事をご覧ください。
便秘の3タイプ
便秘にはいくつかのタイプがあります。
便秘だからと言って、一概な対処法では効果が出ません。
便秘のタイプごとに、異なる原因と対処法があります。
1.弛緩性便秘
- 概要: 日本人に多いタイプです。
大腸の動きが弱く、便を押し出せないために発生します。 - 特徴: 硬い便、残便感、腹部の張りを感じることが多い。
2.けいれん性便秘
- 概要: 精神的なストレスや生活環境の変化が原因で発生します。
腸が過剰に運動するため、便秘と下痢を繰り返すことがあります。 - 特徴: 排便後も残便感があり、腹痛を伴うことが多い。
3.直腸性便秘
- 概要: 直腸や肛門の異常が原因です。
便が直腸まで来ているのに排便ができないタイプの便秘です。 - 特徴: 便意を感じにくく、硬い便が多く、排便が困難になることが多い。
便秘の比較表
3種類の便秘を表にまとめると次の通りです。
タイプ | 主な原因 | 主な症状 | 対策 |
---|---|---|---|
弛緩性便秘 | 大腸の動きが弱い | 硬い便、残便感、腹部の張り | 食物繊維の摂取、運動 |
けいれん性便秘 | ストレス、生活環境の変化 | 残便感、腹痛、便秘と下痢の繰り返し | ストレス管理、リラックス |
直腸性便秘 | 直腸や肛門の異常、便意の抑制 | 便意が少ない、硬い便、排便困難 | 便意を我慢しない、適度な運動 |
女性に便秘が多い理由
便秘と言うと、男性よりも女性の方が多い印象がありますね。
俗説では、女性は白米を食べないから食物繊維が少なくて便秘になりやすい、などという多少強引なものがありますが、実際にはちゃんとした根拠があります。
女性が便秘に悩むことが多いのは、以下の理由によります。
- ホルモンバランス: 女性は黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です。黄体ホルモンにより、大腸内の水分が減少し、便が硬くなりやすいです。特に生理前は便秘になりやすい傾向があるので水分補給を意識してください。
- 筋力の違い: 女性は男性に比べて腹筋や肛門括約筋の筋力が弱く、排便力が低下しやすいです。腸や肛門も筋肉の一種なので、しっかりと刺激を与えて鍛えましょう。
- 無理なダイエットや食事習慣: 女性は男性に比べて、ダイエット等に力を入れています。ダイエット自体は悪くはありませんが、無理なダイエットや朝食抜きなども便秘の原因となります。腸の健康を保つためには、バランスの取れた食事を摂りましょう。また適度な運動をすることは、ダイエットにも腸にも良い刺激になります。
最後に
便秘は軽視できない健康問題であり、早期の対処が重要です。
便秘のタイプや原因を理解し、自分に合った対策を行うことで、健康的な腸内環境を保ちましょう。
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